学会設立の背景
獣医療において、心臓疾患の早期発見・診断・モニタリングに心エコー図検査(超音波検査)が果たす役割は年々高まっています。特に、犬猫をはじめとする小動物医療では、心エコー図による評価が診断と治療方針決定の中心となっていると言っても過言ではありません。しかし、エコー技術の習熟度や検査方法の標準化、読影のクオリティ向上には依然として課題があり、正確な情報共有や技術研鑽の場が求められてきました。
加えて、国家資格となった愛玩動物看護師の果たす役割もますます重要性を増しています。彼らが心エコー図検査をはじめとする循環器診療の現場で適切にサポートできるよう、専門的な教育やスキルアップの機会を提供することが必要とされています。
設立の目的
- 心エコー図検査技術の向上・標準化
- 獣医循環器領域における専門家の育成
- 研究・情報交換の推進
- 関連学会との連携
- 愛玩動物看護師の教育・キャリアサポート
学会の理念
臨床と学術の融合
- 最先端の研究成果を現場レベルで実践できるよう橋渡しを行い、より良い診断・治療を通じて動物の健康と生命を守る。
教育・研修機能の充実
- 会員向けのセミナーやハンズオンを定期的に開催し、初心者からエキスパートまで段階的にスキルアップできる仕組みを整備する。
- 特に愛玩動物看護師向けのセミナーや研修コースを充実させ、国家資格の地位向上やキャリア形成を支援する。
多職種・多領域との連携
- 他の学会や関連する研究領域(ヒト医療の超音波学会など)との協力を促進し、新しい技術や知識を積極的に取り入れていく。
- 愛玩動物看護師・動物看護関連学校などとの連携により、獣医療チーム全体の能力を底上げする。
動物福祉と公共性の向上
- 高度な心エコー図診断技術を広めることで、動物たちへの医療水準を底上げし、社会全体への貢献を図る。