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このたび、私たちは獣医領域における心エコー図学のさらなる発展を目指し、日本獣医心エコー図学会を設立いたしました。多くの先生方、関連企業や教育機関の皆さまのご支援・ご協力をいただき、2025年4月という節目に新たな一歩を踏み出せることを、心より深く感謝申し上げます。私たちは、獣医療の発展に寄与するこの学会を通じて、国内外の専門家や関係者と活発に交流し、新たな知見と先端技術を結集させながら、獣医心臓病学における新時代を切り拓いていく所存です。
近年、獣医療において心血管疾患の診断・治療がいっそう注目を集めるなか、心エコー図検査は動物の心臓の構造や機能を非侵襲的かつ詳細に評価できる、極めて重要な手法としての地位を確立しています。特に、犬や猫をはじめとする伴侶動物の心疾患の早期発見・早期治療において、心エコー図検査は欠かせない技術です。本学会では、こうした医療の質をさらに高めるために、プロフェッショナルとしての責務を重んじつつ、AIやデジタル技術を積極的に導入し、最先端の診断技術や研究成果を国内外に広く発信してまいります。また、心エコーガイドラインの作成に向けた組織的な取り組みを強化し、臨床現場での正確かつ効率的な診断と治療を実現するための標準化を図ることにより、技術の研鑽と臨床への応用を一層推進していく所存です。
さらに、私たちは学会活動を通じて、獣医師や愛玩動物看護師、学生の方々、ならびに関連領域の研究者との連携を深め、多様な視点や専門性を活かした多角的なアプローチを実践してまいります。セミナーやシンポジウムの開催に加え、オンライン学習プラットフォームや実技講習会など、デジタルの力を活かした教育環境の整備にも注力し、幅広い層の参加を促進することで、心エコー図学の普及と啓発を強力に推し進めたいと考えております。
私たちは、「より多くの動物のいのちと暮らしを支え、飼い主の皆さまに安心を届ける」という確固たる使命を胸に刻みながら、専門知識の発信や研究活動の支援、学術交流の促進など、多岐にわたる取り組みを積極的に展開してまいります。会員の皆さまや業界関係者の方々には、本学会の活動にご参画いただき、それぞれが持つ経験や知見を共有し合うことで、獣医療全体のさらなる向上を目指せるよう、お力添えをいただければ幸いです。
今後とも、学会が培っていく専門性や研究成果を土台に、獣医心臓病学の飛躍的な発展を実現すべく、理事長として全力を尽くす所存です。引き続き皆さまの温かいご支援とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本獣医心エコー図学会
代表理事 岩永孝治2025年4月